(意見)週刊少年ジャンプで連載終了した『アイアンナイト』は何故、連載終了したのか?
先週号の週刊少年ジャンプNo18で、屋宜知宏先生の『アイアンナイト』が16話目にて終了となりました。この後、8月までに単行本、が大幅な書き下ろしを加えて3巻まで出るそうです。(4/4に第1巻が発売になっています)
改めてジャンプは残酷だなぁと思いつつ、最終話も拝見させて頂きました。
面白いんですよね。少なくとも16話で終わる漫画では絶対ないと思います。
特に、描写力が凄いんです。敵役の怪人のおどろおどろしい感じとか、人間の表情の迫力とか、とても新人の作家さんとは思えないくらい上手でした。
でも、終わってしまった・・・そこで、凄く、僭越ながらこうしたらもうちょっと続いたんではないか?という意見を書かせていただきたいなと思っております。
これは、一番ゲスな行為です。結果が出ている物に対して、あーだこーだ言う、自分は安全圏にいるのに。サイテ−です。ただ、そんな事わかった上でもこの記事は書きたいなと思いました。「フロアからブースへの愛の証」だと思って頂ければ嬉しいです。後、私は連載を追いかけていたため、記憶に頼って書いていますのでその点は、ご容赦ください。
[アイアンナイトに足りなかったもの]
①大きな道筋の不在と多過ぎた謎の存在
どちらも近い事を指していると思います。
長く続いている漫画、例えば「ワンピース」は海賊王になるとか「NARUTO」は火影になるとか、ある程度明解なゴールがあって、そこまでの道のりの途中で色々な謎やトラブルに巻き込まれて行きますが、アイアンナイトは、そこが弱かったと思います。幼なじみの女の子を救うという目的はありましたが、どうやったら救えるのか?という所が明確じゃなかったです。
又、何故変身する事になったのか等の謎解き部分の解説が非常に少なかったと思います。それによって、読者の理解の促進や興味の持続という事が出来ていませんでした。
②相棒、ライバルの不在
ライバルや相棒がおらず少年の孤独さが一つのテーマになっていました。
例えるならば、バットマンが抱えている様な孤独を物語の核に置いていましたが、
このテーマは少年誌でやるのは少し難しかったのかなと思います。
※後の方で仲間は出来ましたがそこまで交流を深められていなかった様に思います。
相棒やライバルは物語の推進力になります。そして、わかり易い二項対立は読み手に
理解し易い環境を作ります。
③大人の不在
②にも共通するのですが、主人公の周りに大人が不在でした。そのため、主人公の成長を描く上で問題解決を1人でしなければいけないというシュチュエーションが多々ありました。師や導いてくれるキャラクターが存在した方が主人公をより自由に動かせると思います。1人で行う場合、理性的な部分も担わなければならないため自由度が減ってしまいます。
④必殺技、変身シーンがない
これは、必殺技や変身シーンがあるとわかり易さが増すというだけです。
お約束はベタですが、読者に対して安心感を持って(悪く言うと余り頭を使わずに)
読む事が出来ると思います。
以上です。
まとめると今、ジャンプで売れている漫画にはある程度の共通点があると思います。そして、それに対して戦いを挑んだのがアイアンナイトという漫画でした。
もちろん、ジャンプ的な文脈は『力のインフレ』を起こしてしまう可能性も秘めており、良い物とは言い切れないと思っています。しかし、ジャンプで連載する以上、もう少しジャンプ的な文脈を踏まえていればもっと続いたのではと思ってしまい大変、僭越ですがこの記事を書きました。
次回作を待っております。