「恋の渦」を観ればあなたの「デートDV」感度がわかる?
先日(といっても1ヶ月くらい前ですが・・・)、キネカ大森にて、「恋の渦」と「地獄でなぜ悪い」の二本立てを見てきました。
二本で1,300円という非常に良心的な価格に感動し、映画の内容にも感動しました。
「地獄でなぜ悪い」の感想は、Twitterの方に書いたので(https://twitter.com/So_gU)
今回は、「恋の渦」の感想を書きたいと思います。
そもそもなんで「恋の渦」
『恋の渦』公式サイト。「モテキ」の大根仁監督が三浦大輔(ポツドール)の原作を映画化!
を観に行ったかと言うと今、公開している「愛の渦」を観るための予習として行ったのですが、予習何て言葉が申し訳ないくらい。面白かったです。あっ、予習の意味を補足するとかというと両方とも劇団ポツドールの演劇が原作になっています。「恋の渦」は我らが大根仁監督作品、「愛の渦」は劇団ポツドール主宰の三浦大輔さんが監督もやられている作品になります。
この、「恋の渦」という映画ですが、方向性としては、映画を観た後に観た人と一緒に飲みに行きたくなる様な映画です。あーでもない、こーでもないって映画を肴に飲むのがすっごく楽しい。そんなタイプの映画です。つまり観る人の過去の経験や価値観によって意見が全然違う形になるでしょう。
内容は、部屋のみから始まる色恋沙汰&人間模様のお話で、
雑に言うとリアルテラスハウス!! 背伸びもあこがれもない、等身大の人間関係がそこにあります。演技も秀逸でこんな奴いる!!って何回も思いました。(超イケメンのお笑い芸人とか出てきませんよ)
映画を観た後、私自身はモヤモヤしていました。なんか、描かれている恋愛が酷いんだけど、少し人ごとではない感じがして・・・例えば、彼女を逃げ場なく追い込んで謝罪を引き出しているのに、そこで仲直り出来ない感じとか、好き過ぎてストーカーまがいに電話してしまう感じとか、こういう、若干行き過ぎた恋愛行動って何て言ったら良いのか?そんな事をモヤモヤしていたら新しい言葉を見つけました
それは「デートDV」、簡単に説明すると、恋人同士におけるDVです。
下記はwikiですが、
同棲していない恋人同士での体、言葉、態度による暴力のこと。「DV」はドメスティックバイオレンスのことであるが、ドメスティックバイオレンスは主に夫婦間での家庭内暴力を指しており、同居していない恋人同士の暴力をDVと呼ぶのは本来不適当である。・・・(wikipediaより抜粋)
特定非営利活動法人 エンパワメントかながわデートDV啓蒙サイト(主に高校生向け)も
わかりやすかったです。
「それってデートDVなんじゃない?」〜デートDV予防サイト 恋人同士の間でおこる暴力を「デートDV」といいいます。
何だろう、これってセクハラと同じでおそらくベースはあるにせよ後は、当事者間で決める事だとは思うんですよね。(だから顕在化しずらいというのもありますが)そういう意味ではこの映画を観てどう思うかは、一つの指標になる様な気がします。
後、登場する女性は被害者ではないです。そういう男のダメな部分も踏まえて上手く立ち回っています。
だからこの映画にキャッチコピーを付けるなら「デートDVとしたたかな女」です。
こんな感想を書いている私も男でして、是非いろんな人の感想が聞いてみたいです。
そんな映画でした。是非、飲みに行きましょう!!
王様達のヴァイキング はおそらく今年秋頃ドラマ化するのでは?
今回は、週刊ビッグコミックスピリッツ連載の『王様達のヴァイキング』を取り上げます。
タイトルにドラマ化と書きましたが、全くもって私の憶測です。
希望的観測と言っても良いでしょう。ドラマ化されるとか、映画化されるとか他のメディアになる事は、メリット、デメリットあると思います。ドラマ化=良い漫画ではないという意見もその通りだと思います。(ドラマ化=制作側が何らかの理由で自信を持って会議にかけられる漫画であることは確かだと思います。)でも、多くの人、漫画を通常読まない人の目に触れる事は確かだと思いますし、この漫画は、そんな人の目に触れてほしいという気持ちも込めて「ドラマ化」みたいなタイトルにしました。
前置きが長くなりました。
まずは、漫画のあらすじから
簡単に言うと、高校中退でバイトも続かない。コミュニケーション能力がほぼゼロだけれどパソコンの才能がずば抜けている男、是枝と彼にお金も含めて全ての投資を行う、エンジェル投資家坂井が新しい世界を切り開いて行く物語です。
何が面白いか?
まず、挙げられるのが物語の流れです。情報の出し方や読者を説得させて引き込んで行く力を非常に持っている漫画です。
1話目で登場人物の大まかな説明を終わらせ、2話目で是枝の性格、3話目で坂井の覚悟や考え方を掘り下げています。この3話目で読者をぐっと引きつけます。一般的には聞き慣れない「エンジェル投資家」という仕事について旧体制の代表からのインタビュー(今回は新聞記者です)という形で語らせるやり方が非常に良いです。
この後は、是枝の仕事(=買い手を喜ばす事)を学ぶ話が続いて行きます。
是枝の内に秘めたモンスターと自分のやりたい事、人に買ってもらえる事、その喜びが試行錯誤の上、是枝の成長によって同一線上に並んで行く快感。
特に、2巻の最初のエピソードが最高に気持ちよいです。成長してぐいぐい前に進む是枝とそれに応える様に漢気あふれる仕事をする坂井。
ホントにこのエピソードだけでも映像化して欲しいです。
このエピソードでは、ある映画の楽曲が話のキーになっているのですが、おそらくこの漫画を読んでいる人の9割はこの映画の事を知っていると思うんですよ。なので、エピソードの最高潮の時に、この楽曲が頭の中で流れます。そうすると涙が出ます。
次のエピソードでは、(2巻中頃〜3巻中頃)、今後2人の敵となる人物が出てきます。このわかり易い敵の存在が、フィクション感を高めるなあと思いながらも是枝が成長して行く中で明確な壁が見えてくる事も物語をわかり易くするためには必要だったのかなと思いました。3巻の中頃からの坂井の過去を振り返るエピソードは、何故彼がここまでやるのか?という事をわかりやすく説明してくれていて更に坂井の事を好きになると思います。そして、3巻目まで読むと思う事は1つだけ、「次が読みたい」これだけでしょう。
この漫画を多くの人に知ってほしい理由の一つに、この漫画を通して「エンジェル投資家」の存在を多くの人に知ってい欲しいという事があります。最近、瀧本哲史さんの本を読んだ事もあり、日本にある投資の悪いイメージ(本の中で、瀧本さんは「投機」と「投資」の違いが日本では理解されていないと書かれていました)が払拭されたら良いなと、この漫画の坂井というキャラクターはそれが出来ると思います。
後、忘れてはなならないのが画です。
最高潮の時、決め台詞を言うとき顔の正面の画がたまらなくかっこ良いです。こちらが見られている(睨まれている)感覚になります。
この漫画を読んでいると、世の中は本当に変えられるんじゃないかと思ってしまいます。それぐらい、是枝が外と繋がる事で高揚していく感情が読者に伝播します。
今、お薦めの漫画ですので、是非読んでみてください。
<今年の目標:99>
【感想・映画】2014年 鈴木太一(監督)と田代さやか(女優)を知らないとヤバい(おそらく)
新年、あけましておめでとうございます。
目標は、昨年と変わらず突き進んで行きたいと思っております。
余談ですが今年、30歳になります。ちゃんと走ります・・・
さて、2014年、一発目は鈴木太一監督作品、『くそガキの告白』という映画を紹介したいと思います。あくまで感想文です。あしからず
もう、一言で言うと「まず観てくれ」という言葉につきます。
タイトルにも書きましたが、2014年を生きて行く中で知らないとヤバいという空気になるはずです。
では、順を追って紹介して行きます。
①鈴木太一監督を知ったきっかけ
まずは、私が鈴木太一監督を知ったきっかけから話をしてこうと思います。
きっかけは、テレビ東京で2013年4月のクールにて放送していた深夜ドラマ、『みんな!エスパーだよ!』でした。このドラマ、あの日本を代表する映画監督、園子温さんが監督をやられるという事で、視聴していました。ドラマ全体では、4人の方が監督をやられており、その中の1人が鈴木太一さんでした。
他のメンバーも凄くて、1人は、もちろん園子温さんですが、その中には、入江悠さん、あの『SR サイタマノラッパー』の監督も入っておりました。
『SR サイタマノラッパー』については、ここでは省略しますが、凄い映画です。特に、1と3のラストは、必見&必涙です。
※もう1人の方は、月川翔さんという映像ディレクターの方で、LOUISVUITTONのアワードで審査員グランプリを穫られている方ですが、すいません追いかけられませんでした。
又、鈴木太一さんがドラマで担当した第4話も凄く良かったです!最後の浜辺で旗を降って走るシーンの一体感には快感を覚えました。
簡単に言うと園子温監督や入江悠監督と同レベルで評価されている監督で、しかも担当したお話も面白かったから、鈴木太一監督が気になったんです。
②映画のあらすじ
あらすじを簡単にいうと、自意識が過剰すぎて動けなくっている主人公の苛立ちと 脱皮、成長を描いた映画です。主人公役を演じるのは、キングオブコメディの今野 浩喜さん、その成長の呼び水となる新人女優を田代さやかさんが演じられていま す。下記に、オフィシャルホームページのあらすじも載せておきます。
馬場大輔、32歳。人よりブサイクな自身の顔に勝手に強いコンプレックスを持ち、いい歳して自分の苛立ちを周りの物に当たり散らす、くそガキ野郎。
映画監督を夢見ているが、「映画で言いたいことがないなら映画監督を目指すのなんてやめちまえ」と言われて何も言い返せない。「俺の世界観!」と格好つけているくせに映画を撮ろうともしない。実は何で映画監督を目指しているのか、自分でもよくわからない。
家では二人暮らしの母親に、「いいかげん自分の食いぶちくらい自分で稼ぎなさい。三十すぎてみっともない!」と文句を言われる日々が続いている。
木下桃子、25歳。占いやおまじないが好きな女の子。中学生のときに観た学生映画『LOVEZONE』に魅了され女優を目指す。それは彼女が生まれて初めて持てた夢だった。
高校卒業後すぐに芸能事務所に所属するも女優の仕事はほとんどない。オーディションには落ち続け、たまに出演できてもエキストラ的な役名のない役ばかりだ。
そんな彼女は今日も撮影現場で笑顔をふりまいている。ある日、そんな二人が撮影現場で出会う。そこから奇想天外な物語の幕が開く。
③自意識過剰で動けない奴
映画の登場人物は、言ってしまうとよくあるキャラクターです。
自意識過剰でどうしようもない人(私も含む)というテーマはある程度の普遍性が あるテーマだと思います。だから多くの作品に取り上げられています。
例えば、漫画だと昨年流行した渋谷直角さんの『カフェでよくかかっているJ-POP のボサノヴァカバーを歌う女の一生』の中の一つ、『ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園』ですとか、『闇金ウシジマくん』の『フリーターくん』とかが近しい感じかなあと思います。
テーマはある程度ベタなため、変化に向かうまでの作り込みと結末が重要になって きます。特に結末によって作品の評価が決まってしまうと言えるでしょう。
④感想
という事を踏まえて、感想になります。
映画は監督の半自伝的な側面を持っています。
途中のホラー映画の撮影のシーンとかは、監督自身が『怪奇!アンビリーバブ
ル』シリーズで監督が商業作品デビューした事を踏まえて作られています。
だから、リアルな感じで作られていて、見応えがありました。というか、途中から ホラー映画になるんじゃないかと思うくらいに見応えのある作りでした。
そして、結末が最高に良かった!観ながら予想していた結末を綺麗に裏切ってくれました。ヌルいファンタジーにならず、痛すぎず、最高のラストでした。
ネタばらしを避けながら書きますが、最後の最後の長回しがちょっとタルいかなあと思ったんですよ。でも、それも最終カットの布石だったと最後まで観てわかりました。
最後に制作者としてのプライドという所に向かう感じは監督のある種の宣言なんでしょう。「何故、映画を撮るのか?」という質問にたいしての監督なりの答えになっていると思います。
繰り返しになりますが最終カットは、映像の力、映画の素晴らしさを感じさせる物になっていました。どんなに言葉を尽くしても勝てない絵があると思わされました。
そして、この映画みたらおそらく7割ぐらいの人は、田代さやかさんに惚れると思います。きゅんってきます。
『くそガキの告白』の感想、こんな感じになります。鈴木太一監督と田代さやかさんは絶対、今年知らないと行けない人になるはずです。是非、チェックしてください。
夏の十字架(ウチヤマユージ)
1回目の更新から、2週間以上も空いてしまいました。
これではいけないと思い、キーボードを叩いております。
目標は、週2〜3回の更新です。
さて、タイトルの件、今日は漫画の感想を書きます。
あくまで、感想なのであしからず・・・
タイトルは、「夏の十字架」作者のウチヤマユージさんは、コミティアというオリジナルのみの自主制作漫画即売会出身の作家さんです。(出身と書きましたが、副業で漫画をやられており、基本的には連載をもたれず、コミティアでの活動をメインにされているようです)
出版社は、小池一夫さんが主催される「小池書院」
絵の感じは、よしもとよしともさんに近いでしょうか?
シンプルなタッチで必要な情報のみが描かれている感じです。
表題作の「夏の十字架」の内容は正直言ってどこかで見た事ある様な要素が多分にあります。ご本人もあとがきで影響を受けた映画のタイトルも挙げられますし。しかし、映画2時間見るならば、この漫画を読んだ方が、短い時間で同じ満足度が得られると思います。視点の寄りと引きを上手く使って情報をコンパクトに納めていて、少ないページの中で上手く処理されています。
後は、ラストの着地の仕方、ここでこの構図!?という感じで終わりますが、
それが凄く良い!!この点については、後で詳しく触れます。
主人公ととある女性との間で体の触れ合い(セックスに限らずです)が描かれると思っていたのですが、そのような描写はありませんでした。
これもラストに通じるウチヤマユージさんの物の捉え方なのかなと思います。
この短編集の中で、一番 心を揺さぶられる作品は、2作目に収録されている「ちりぬるを」です。あらすじを説明すると、夫に先立たれた老婦人の1日を描いているだけです。たった、それだけの話なのに凄い破壊力があります。この話、タイミング悪く(良く)読んでしまうと、吐き気が出るくらい泣けると思います。
これは、決して大げさな表現ではないです。
ウチヤマユージさんは、キャラクターを俯瞰でとらえてキャラクターの周りにある空気感を描こうとされる作家さんです。一番、近いかなと思ったのは、小津 安二郎の「東京物語」(すいません、小津作品これしか見た事がないのでこれを挙げました)
主人公が感情を自己主張すると読者は「受け身での感情移入」になりますが、空気感で描かれると読者は、その中から感情を読み取ろうとするのである種「攻めの感情移入」になります。この「攻めの感情移入」の方が受け身より、何倍も感情移入しやすいと思います。ウチヤマユージさんは、カット割りとシンプルなキャラクター描写でそれを引き出すのが大変、上手い作家さんです。
この考え方が、さきほどお話した「夏の十字架」のラストシーンの構図や、直接的な描写になってしまう、身体の触れ合いを描かないという点に通じていると思います。
後のお話は、悪くはないのですがやっぱり、SFやラブコメより、人間の悲しみや痛みを描いて頂いた方が絶対面白い作家さんだと思います。
ぜひとも、ウチヤマユージさんの描く空気感を体感して欲しいです。
「夏の十字架」と「ちりぬるを」だけのために買っても損はないと思います。
是非、読んでみてください。お薦めです。
ブログ始めます
えー、So_gU(そぐ)と言います。
29歳の男で、広告代理店に勤めています。
読んだ本や漫画の感想とか、日々感じた事をゆっくりほっこり書いて行きます。
なんか、最初なので目標的な事を書いておきます。
・まずは、続ける事!
※ちなみに、ブログ2回目です。
1回目は、3回しか更新しませんでした。
・目標は、私が好きな物が売れるお手伝いがしたい!
※もちろん、売れるというのは一つの指標でしかありませんが大きな指標です。
良いと思った物がみなさんに知ってもらえる様にしたいです。
・そして、あわよくば書く事とか、インタビュー的な事にお呼ばれしたい。
※お声がけ、常に募集しております。
そんな感じです。
お付き合い頂けますと幸いです。
宜しくお願い致します。